セルフネグレクトを知っていますか?

皆さん、『セルフネグレクト』という言葉を聞いたことはありますか。
先日、何気なくSNSを見ていたところ、衝撃的な写真が目に留まりました。
それは、家の中の様子を写真におさめたもので、床から天井まで隙間なくぎっしりとゴミが積み上げられたひどい写真でした。
さらに衝撃的だったのは、その家は空き家ではなく、若い女の子が一人で今も住んでいるというものでした。
部屋いっぱい、ゴミで溢れかえった写真とともに、『セルフネグレクト』という言葉がハッシュタグで書かれており、気になったので調べてみました。

セルフネグレクトとは

セルフネグレクトとは、自分に対して関心が無くなり、意欲や能力の低下・喪失によって、普通の生活をキープすることが困難となり、結果的に自らの安全や健康を損なう状態を指します。
またセルフネグレクトというのは、「自己放任」とも一般的に言われているそうです。
セルフネグレクトは、身体機能が低下した1人暮らしの高齢者に多いとされていましたが、ここ数年で高齢者だけではなく若者も増加しているようです。

セルフネグレクト症状や特徴

セルフネグレクトの症状としては、自分に対して関心が無くなるため、身の回りのことをしなくなります。
例えば、食事を定期的に摂らなくなる、お風呂に入らない、ずっと洗っていない服を着る、病気があっても治療や介護を拒否する、人との関りを拒否するなどの言動が挙げられます。

セルフネグレクトの対処法

家族や周りの人がセルフネグレクト状態に陥ってしまった際にどのようにすればよいのでしょうか。
セルフネグレクトの状態に陥ってしまうと、自分で周囲に助けを求めることができず、誰からもセルフネグレクトに気づいてもらえず、最悪の場合は孤独死をしてしまう可能性もあります。
周囲の人たちが気付き、気にかけてあげることが大切です。
まずは、本人の気持ち(想い)を聞き、必要であれば介護サービスや家事代行サービス利用
し、周囲のサポートを受けるようにしましょう。
また、認知症などの疾患がある場合は医療機関で治療を受けましょう。
各自治体や地域包括支援センターなどに相談をして、必要に応じたサービスを利用し、社会的孤立をさせないようにすることが重要です。

セルフネグレクトに陥ってしまう背景には、身体機能の低下・経済的貧困・社会的孤立・家族による虐待など、まだはっきりと分かっていない原因を含め様々です。
『苦しい、助けて』と周囲へ助けを求めることが難しくなってきた現代の環境で、こうした聞こえない声に気付けるよう気をつけたいと思いました。

【参考サイト】

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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