心理療法の種類~子どもへのアプローチ~

皆さんは心理療法というと、どのようなものを思い浮かべますか?

代表的なものとしては来談者中心療法や認知行動療法などがありますが、これらは多くの方が耳にされたことがあるのではないでしょうか。

さて、子ども(特に低年齢の場合)は自分のこころの状態や意思を正確に言語で表現をすることが難しいことがあります。
そのような子どもへはどのように心理的アプローチをしていくのでしょうか。

子どもに対しての心理的アプローチは子どもの特性を理解した上で進めていく必要があります。

もちろん、認知行動療法や精神分析療法を用いてアプローチをすることもありますが、心理療法の中には、芸術療法というものもあります。

芸術療法とは、芸術作品を創作する活動過程において気づきを得たり、心の健康を取り戻したりすることを目指す心理療法です。
これらは子どもや言語で意思の表現をすることが難しい方にとっては有効な心理療法といえます。

芸術療法には、箱庭療法(高さ7㎝・横72㎝・縦57㎝の木箱の中に砂が敷かれ、人形、道具などを好きなように配置し山や川を作ったりして自分の内面を箱庭の中に投影し、自己の気付きを得たり、自己治癒力を高めたりする)や絵画療法風景構成療法描画療法コラージュ療法(好きな雑誌や新聞などを切り抜いて台紙に貼り、完成後に製作中に感じた思いなどを話す)などがあります。

その他、遊戯療法(遊びの中で感情の表出や抑圧からの解放であるカタルシス効果を期待できる)や音楽療法などがあります。

他の心理療法と同じく、作品の解釈や洞察には、専門的知識を持ち経験や自己研鑚を積んでいる専門家が行う必要があります。
また、箱庭療法の場合はクライエントの内面を深く混乱させる危険性があるため、原則としてクライアントの精神疾患が認められる場合、寛解期以外の実施は行いません。


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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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