カウンセリングにおけるリファーについて

前回、カウンセリングは、カウンセラーがクライエントの話を聴いて、話を聴く中で、クライエントが今まで気づかなかった問題やもやもやした感情などを明確化していき、クライエント自身が持つ治癒能力を引き出す援助をすることと書きました。
しかし、カウンセリングで話を聴いてもらうだけで本当に治るのか?と思いますよね。
カウンセラーは、話を聴くプロではありますが、治すプロではありません。

カウンセラーは、万能ではありませんので、相談内容によっては、カウンセラー自身のカウンセリング能力では難しいケースもあります。
そのような場合はどうするのでしょうか?

カウンセリングで問題解決されない場合

自分のカウンセリング能力では難しいと判断された場合は、他のカウンセラーや専門機関にリファーを行います。
インテーク面接で得られた情報をもとに、適切な処遇について話し合うことを受理会議といいますが、受理会議では、適切な担当者の決定や場合によってはリファー先の検討などを行います。

クライエントの受け入れ可能かどうかは、カウンセラーによって異なります。
自分の専門外の内容であったり、クライエントに精神的・身体的な疾患が見られる場合はリファーする必要があります。
リファーする際は、たらい回しにされたとか、門前払いされたと思われないよう丁寧に、慎重に行っていきます。

クライエントと一緒に最善策を探す過程でもあるので、「自分よりも他のカウンセラーの方が専門なので」とより良いカウンセラーを紹介したり、何らかの症状が見られたりする場合は、「こういった症状が見られるので一度専門機関に見て頂いた方が良いのでは」と伝え専門機関を勧めていきます。

説明もなく「他所に行ってください」というのは、とても失礼なことで、クライエントにリファーの意義や内容を説明し、ご意向を伺ったうえで、カウンセリングを進めます。
このようにリファーを行うためには、様々な機関との連携も大切になってきます。


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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