よそいきの顔、本当の顔

突然ですが、みなさんは職場や学校ではどんな人を演じていますか?“キリッとしたデキる人”タイプでしょうか。それとも“いつもダラダラしているけれども、やる時はやる”タイプでしょうか。もしかして、思ってもいないのに“この会社に不平不満なんてありません!”というタイプですか?そして、その「よそいき」の顔は家庭や気の置けない友人の前ではどんな風に変わりますか?もちろん中には「どこにいっても自分は誰の前でも同じ態度よ」という方もいらっしゃると思います。

今回は、心理学ではおなじみユングの提唱した「元型」についてお話します。ユングは人の心の中の無意識を二つ(個人的無意識と集合的無意識)に分けました。そのうち、集合的無意識は人類に共通して存在するものとされ、個人の心の基礎となる部分ともいわれています。その中でも「元型」は文化や生活習慣の違いにもかかわらず、共通する基本的なイメージが存在しています。

「元型」にはさまざまなものがあるのですが、よく耳にする「元型」は「ペルソナ」だと思います。ペルソナは元々ラテン語で「仮面」のことです。心理学では人が外界に対してつける仮面のことをいいます。例えば、役職などの社会的地位、職業、性別などによってその仮面をつけてその役を演じることで社会にうまく適応していこうとします。ただし、このペルソナへの同一化が強くなりすぎると本当の自分を出せなくなることも…。

では、その“仮面”の裏には何があるでしょうか。ペルソナに対し、「シャドウ(影)」という元型があります。ペルソナは外界へ向けた顔ならばシャドウは内界に向いています。シャドウとは、誰しもがもっている、その人自身が認めたくない劣等コンプレックスや自分自身の暗い側面などのことです。几帳面な人がだらしない人に嫌悪感を抱くのも、自分自身のシャドウを他人に投影しているからです。実は自分にもだらしないところがあるけど、それを認めたくない!と隠そうとしていることです。

ご興味を持たれた方はぜひ、ユング心理学について調べてみてはいかがでしょうか。

参考

はじめての臨床心理学 森谷寛之・竹松志乃 北樹出版 2008

ペルソナ心理学と日本的意識 高尾 浩幸 

人間科学研究 人間科学研究 (39), 75-81, 2017 文教大学

 

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