朝起きられない理由

季節の変わり目は体調を崩しやすくなりがちです。
特に梅雨明けから夏にかけてのこの時期、夜、寝つきが悪く朝、起きられないということもあるのではないでしょうか。
以前、当サイトで「そのくらくらに注意!」「ストレスに対する身体からのSOS」など自律神経系に関わるお話をお伝えしてきました。
今回は起立性調節障害についてお伝えしたいと思います。

【起立性調節障害(OD)とは】

起立性調節障害(OD)とは、立ちくらみやめまい、倦怠感、動悸、頭痛、腹痛などの症状を伴う、思春期(10~16歳頃)に好発する自律神経機能不全の一つです。これは、起きたときに脳への血流が低下することによって起こるものです。
これらの症状は朝(午前)に強く現れ、午後からは軽快していきます。
軽快してからは趣味やゲームを楽しむこともできるため、周囲からは「怠け」「気持ちの問題」などといわれ誤解されてしまうこともあります。

小中学生の現状

小学生の約5%、中学生の約10%の児童・生徒が起立性調節障害といわれています(100万人程度)。ODといわれる児童・生徒の約半数が不登校状態となっています。
予後は適切な治療を受けた場合、軽症では数ヶ月で軽快することが多く、中等症では1年後に50%、2~3年後に80%が軽快し、不登校などを伴う重症の場合でも個人の体調や環境に合った学校に進学した場合2~3年で90%が軽快するといわれています。

【最後に】

大人でも疲れがたまっていたら、寝不足になっていたら、朝起きるのはつらいものがあります。
子どもが朝起きないという時には「早く起きなさい!」「誰だって行きたくないの!」などと怒ってしまいがちですが、実はそういった病気の背景が隠れているかもしれません。
規則正しい生活を送るよう心がけてもどうしても起きられない、学校へ行けないという場合は、周囲の大人がそういったことを頭において気を配ってあげられるとよいですね。

参考サイト


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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