「群衆心理」とは
社会心理学は、社会環境下での人の行動がどのような条件・要因によって起こるのかなどを研究する社会科学の一分野です。
社会心理学で取り扱う内容に、「群集心理」というものがあります。
「群集心理」とは、いわゆる暴動が起こったとき、その場にいる見知らぬ人同士の集まりが、無責任で道徳に反した行動を引き起こしやすくなるというものです。
これは多くの人が共通の反応をするのを見ると、自分だけでなく他人も同じように感じているという安心感を覚え、その行動の正当性を信じきってしまうようになるためです。
やがて「みんなでやれば怖くない」という心理状態になります。
加えて、人間は元々「知らず知らずのうちに大多数に習う」という傾向があり、一個人では何の行動も起こせなくても、その個人個人が集まると、とてつもない力が生み出され、普段では考えられないような行動も時に起こしてしまうというものです。
この個人個人(見知らぬ人同士)の集まりのことを「群集」といいます。「集団」じゃないの?と思われる方もいるかもしれませんが、「集団」ではありません。
「集団」とは、「ある共通の目的をもち、相互に依存関係をもつ人の集まり。(三省堂 大辞林)」のことをいいます。例えば、部活のチームなどです。
大会の優勝という目標に向けて一致団結しますよね。
では、「群集」とはなんでしょうか。「群集」とは、
「社会学で、多数の人々が共通の関心のもとに、一時的に集合した非組織的な集団。衝動的に行動をともにするが、明確な目的意識をもたない」
(デジタル大辞泉より)
というものです。
スポーツ観戦しているサポーターたちが何らかのきっかけで、大挙してスタジアムの中に入ってしまったり問題を起こしてしまったりしたとき、このサポーターたちは「群集」となるわけです。なかなか社会心理学は奥が深そうです。
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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