発達障害を抱えるお子さんとその親の支援①

発達障害は、発達障害者支援法(第2条)において「広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群等)、学習障害、注意欠陥・多動性障害等、通常低年齢で発現する脳機能の障害」と定義されているものですが、皆さんの周囲には、発達障害を抱える方はいらっしゃいますか?
もしくは、過去、そういった方が周囲にいた記憶はあるでしょうか。

発達障害の可能性のある(学習面や行動面で著しい困難を示すとされる)児童、生徒の数は全体の6.5%程度といわれています(「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」平成24年文部科学省)。

…と考えると、発達障害児は決して稀な存在ではないですよね。

さて、発達障害児はその特性に加え、二次障害(大人からの叱責などによる心身の不調)から「生きづらさ、生きにくさ」を感じやすく、その子どもを保護する親は「育てにくさ」を感じやすいともいわれています。
親からすれば「なんで何度も叱ってもちゃんと出来ないの!育て方を間違えたのかな…」となり、子どもからすれば「なんでちゃんと出来ないんだろう…自分はダメな人間なんだ」という自己否定に苛まれます。

発達障害は育て方の問題ではありません。
親が悪いわけでも、もちろん子どもが悪いわけでもありません。
発達障害について正しい知識を得ることができていないために、怒鳴ったり叱ったりしてしまうのです。

子どもと親へのケアとして、ペアレント・プログラムがあります。
これは、親が子どもの「行動」についてきちんと捉えられるようになること、子どもへ向けてしまいがちな否定的な視点を肯定的な視点に変えること、保護者自身が仲間を見つけられることを目標としたものです。
その子どもの特性の正しい理解を深め、親御さんも少しでも気持ちに余裕を持てるようになればよいですね。

参考資料 


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
こころのサイエンス編集部の紹介はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でフォローしよう!