心理学的に考える「態度」とは?

態度という言葉は日常生活でもよく耳にすると思います。
そこで心理学的に考える「態度」とはどのように定義されているのでしょうか。

「新型コロナウイルス」の存在を初めて聞いてから1年が経ちました。
最初は、まさか世界全体を脅かす事態になるとは、思いもしませんでした。
有名人の感染のニュースは、多くの人々が、既に感染リスクが身近に迫っていることを実感させることになりましたよね。

昨年の緊急事態宣言が発出された際、トイレットペーパや食材の買い占めにより、品切れが相次ぎましたよね。
今回の緊急事態宣言が発出された際も、某スーパーでは食材の在庫を2倍ほどあるから安心してほしいと呼びかけるなど、社会的パニックが起きたり、また起きそうなときもありました。

では、どうやって社会的パニック状態から抜け出すことができるのか。
それは、それぞれ個人が社会的パニックの状態にいるということを自覚した上で、社会的パニックから脱出するために個人個人がどう振る舞えば良いのか、という視点で物事を考える冷静な『態度』を取り戻すことです。

買い占め行動は、これが社会的パニック現象であることを自覚した上で、自らの行動の帰結を社会的観点から相対視することによりはじめて、自らの欲望や感情ではなく、社会のためにすべき行動を考える「自制」が可能となります。

つまり、コロナウイルス禍を巡る昨今の状況を社会的パニックと位置づけ、皆一人一人が冷静さを取り戻さない限り、このパニックからぬけだすことができないということです。

心理学において「態度」とは、『関連する全ての対象や状況に対する個人の反応に対して直接的かつ力動的な影響を及ぼすような経験に基づいて体系化された精神的および神経的準備状態のこと』と定義しています。

態度に関する研究は主に社会心理学の分野で行われています。態度は社会的なものであるため、私たちの日常生活の様々な場面と関連があります。

たとえば、モノやサービスを購入する消費行動などです。個人が商品やサービスに対して、どのような態度を持っているのかが、何を買うのか(買わないのか)を決定する要因になります。

コロナ禍で不安な毎日を送られていると思いますが、「社会的パニックに陥ってしまっているのでは?」と距離を置いて冷静に見るように心がけてみてくださいね。

態度に関する研究領域である社会心理学については、「こころ検定4級の第5章」で扱っていますので、興味・関心のある方は、是非、勉強していただければと思います。
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参考文献


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