知覚のはじまり~嗅覚編~

前回、聴覚について書かせていただきましたが、今回は嗅覚について書いていきたいと思います。

まず、人がにおいを感じる嗅覚の仕組みについてですが、そもそもにおいとは、空気中に飛んでいる様々な物質の分子で、これがにおいのもととなります。

においの分子が鼻の中に入ってくると、鼻腔の嗅粘膜に溶け込み、嗅上皮に約1000万個ある嗅細胞がそれを感知して、電気信号を発生させ、その電気信号が嗅神経を伝って大脳に送られて、においを感じる仕組みになっています。

ちなみに犬は化学物質を捉える能力が高く、酢酸(汗のにおいの成分)に対する感度は、人の1000万倍といわれています。

嗅細胞の数も人が500万個に対し、犬は1~2億個あるのだそうです。

警察が行う捜査にも犬が利用されるのは、この優れた嗅覚を活かしたものなんですね。

この嗅覚細胞は、胎児期の妊娠20週頃には、ほぼ出来上がり、嗅覚が機能し始め、産まれた時にはほぼ大人と同じくらいに発達しているといわれています。

新生児はほとんど目が見えなくても嗅覚は鋭いので、生後数日が経つと、ママと他人のにおいが嗅ぎ分けられるようになり、生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんは視覚が未成熟で目がよく見えないにも関わらず、産後すぐにおっぱいを探せるのは嗅覚のおかげだと考えられています。

また、記憶と嗅覚は関連していると聞いたことはないでしょうか?

例えば、昔よく食べた食べ物のにおいを嗅ぐと、「昔よく食べたなぁ」と昔の出来事を思い出したりなど、このような現象を「プルースト効果」といいます。

これにはちゃんと理由があるのです。

嗅覚以外の感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚)は、全て視床と繋がっているのですが、嗅覚は違って、大脳辺縁系の扁桃体と海馬という記憶と感情を処理する部位に直接伝わるため、

嗅いだにおいは、記憶と絡み合って、思い出と一緒に思い出されることが可能になるのです。

これは感覚の中でも嗅覚だけがもつ特徴となります。

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