人の話を「聴く」方法

皆さんは人の話を聴くのは得意な方でしょうか。
最近、筆者は公私とも多忙のあまり、人の話を「聴く」ことができていませんでした。
家族や友人がせっかく話しかけてくれても「あー、そうなんだー」「へー」と相づちは打つものの「話を聴いているようで全然聴いていない!」とお叱りを受け、そこでようやく気付くことが出来ました。
実際、何を話されたかは全く覚えていません。

さて、心理カウンセリングにおいてのカウンセラーの基本的態度のひとつに「傾聴」があります。
「傾聴」とは、“話を聞くだけではなく態度・表情なども見ながら耳を傾けて、熱心に聴くこと(『メンタルケア心理士®メンタルケア心理専門士®になるための カウンセリング基本技法と面接技法 教本』より抜粋)”のことをいいます。

筆者は普段から人と会話するのが億劫だと感じるタイプなので、このお叱りを機に、人の話を聴くための訓練について調べてみました。
受容や傾聴スキルを高めるためのカウンセリング技術の訓練として「イヌバラ法」があります。
この「イヌバラ法」とは、2人1組で聴き手と話し手になって交互に悩みを話し、話を聴いていくものです。

話し手側がイヌやバラなどの人間以外の役割になりきって悩みを話し手に伝えるのですが、はじめ、聴き手は相づちだけで話し手の話を受容するように聴きます。
その後、話し手と聴き手の役割を交替して悩みを打ち明けます。
次は相づちと繰り返しを使って話し手の話を聴き、終わるとまた役割を交替して悩みを打ち明けます。
今度は相づちと繰り返しに加えて、相手の言葉を「あなたの伝えたいことは…ということですね。」というように簡潔に話をまとめながら、話し手の気持ちを受容するように聴き、自己洞察や相手の気持ちを理解するための訓練を行っていきます。

筆者の場合、とにかく相手の顔を見ていませんでした。
資料を熟読していることが多く「ながら聞き」をしており、相手の気持ちよりも自分のことを優先させていたので、これからはきちんと相手の顔を見ながら、言葉だけではなく態度や表情などで本当に何を伝えようとしているのかを知るよう努力したいと思います。

参考文献

イヌバラ法(自己象徴的カウンセラー訓練技法)の治療的意義 大辻 隆夫 平野 かおり 2004

メンタルケア心理士®メンタルケア心理専門士®になるための カウンセリング基本技法と面接技法 教本 

別府武彦 市川和寛 著 教育ナビゲーション株式会社 2014


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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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