実はこの心理、非常に危険です!

突然ですが、最近物騒な事件が多いような気がしますよね。
筆者がニュースを見ていて驚いたのが、目の前で事件が起きているのに、警察などに通報をせずにスマホで動画を撮影している様子でした。
正常性バイアスに陥っているなと感じました。近年話題に上ることが多いこの心理、非常に危険なのです。

正常性バイアスとは

異常事態に遭遇した時、「こんなはずはない」と思ったり、危険が予想される状況でも「自分は大丈夫」と思って、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価してしまう心理的特性を「正常性バイアス」といいます。(バイアス=先入観・偏見)

人は危険を感じると強いストレスを感じます。
しかし、強いストレスはできるだけ避けたいので、無意識のうちに、危険を見て見ぬふりをしてしまいます。

つまり、本当に危険な状態でも「危険だ」と思わないようになってしまうのです。
地震、津波、火災などの災害に出くわしても、危険を感じ取ってすぐに行動できる人は、実は思いのほか少なく、自分はこの災害で死ぬかもしれないと考えて、すぐに逃げることができる人は少ないと言われています。

例えば商業施設で火災警報器が鳴った場合、本来であればすぐさま状況を確認し、避難しなくてはいけません。
実際に火災警報器が鳴ると「火事かもしれない!」と行動に移せる人も中には居ます。
しかし多くは、このように非常事態であるにもかかわらず、正常バイアスが働くと「どうせ誤報だろう」などと、事態を過小評価してしまい、逃げ遅れてしまうというものです。

ではどうすればよいのか?

現在の社会は昔に比べると安全で便利な世の中になってきているので、慣れすぎてしまい、なかなか災害時に危機対応への自分の対応を変えることができないとされています。

本当に危険な状態なのに「危険だ」と思わないようにしている自分に気づいたら、このバイアスを思い出してください!

「自分の心理に、バイアスがかかっている」と気づくことができれば、 理性の力で行動をコントロールすることができ、適切な行動を取れる可能性が高まります。

最後に

緊急時こそ必要なのが、「落ち着いて行動すること」です。
そのために有効なのが「訓練」です。訓練を重ねることで、いざというとき、自然にいつもと同じ行動をとることができる、つまり、訓練と同じ行動をとることで身を守れる、というわけです。

緊急時・非常時の際に「正常性バイアス」に脳を支配されないよう、本当に危険なのか、何をしたらいいかを見極める判断力を養っておきましょう。

参考文献

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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