集中には○○が効果的?

大学入学共通テストが終わりましたが、世間は受験シーズン真っ只中ですね。高校生に限らず国家試験や民間資格の試験までさまざまな試験はありますが、今回は受験生のSNSで話題となったブドウ糖について取り上げたいと思います。特にブドウ糖入りのゼリー飲料はどこを探しても品薄だそうですが、そもそもブドウ糖とは何なのでしょうか。

ブドウ糖はグルコースともいわれている糖類の一種です。くだものや穀類、はちみつなどに多く含まれており、自然界に最も多く存在する単糖類です。食べ物から摂取された糖質は、消化吸収を経て最終的にはブドウ糖に分解され、エネルギーとなります。分解吸収のスピードが速いため、素早くエネルギーを補給し血糖値を上げるのに適しています。そして、なんと脳がエネルギーとして利用できる唯一の物質がブドウ糖で、ブドウ糖が不足すると脳を正常に働かせることができないといわれています。

脳のブドウ糖が不足してしまうと、思考力や集中力が低下し、さらには体の他の組織への命令が正しく出せなくなり、体中の色々な組織に弊害がおこります。そして、ブドウ糖不足が長期にわたって続くと、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンも徐々に失われ、脳のエネルギーが減ることにより他の組織のはたらきも鈍り、疲労につながってしまうのだそうです。

「じゃあ、ブドウ糖をたくさん摂ればいいのか!」となりますが、もともと血中濃度が調節されている血液の中にブドウ糖の量がたくさん増えると、インスリンの作用でブドウ糖が中性脂肪となり脂肪細胞のなかに蓄えられ、結果としてブドウ糖を摂りすぎると肥満を引き起こしてしまうそうです。また、血糖値が高い状態が長期間続くと、高血糖症状や神経系や腎臓などに影響をおよぼすことがあるため注意が必要です。

 受験は集中力がものをいうところもありますが、体が資本となります。ブドウ糖やエナジードリンクなどは適切な量を守って睡眠もしっかりとって上手に乗り切ってくださいね。

参考文献

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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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