認知症の正しい理解へ

認知症は誰にでも発症しうるものであり「65~69歳での有病率は1.5%ですが、以後5歳ごと倍に増加し、85歳では27%に達し、現時点で、我が国の65歳以上の高齢者における有病率は8~10%程度と推定されます。

現時点(2010年)では200万人程度といわれてきましたが、(中略)今後、高齢者人口の急増とともに認知症患者数も増加し、2020年には325万人まで増加するとされます[i]」という厚生労働省のデータもあります。

これほどまでに身近な認知症ですが、正しい知識を得る機会というのはあまりなく、患者さんに対してどう接すればよいのか?
どうすれば患者さんの尊厳を守ることができるのか?
ということが挙げられます。
そこで今回は認知症について簡単にですが説明していきたいと思います。

認知症はアルツハイマー病血管性認知症レビー小体型認知症前頭側頭型認知症にわけることができます。
これらの病型によって表出する特徴や症状は異なりますが、中核症状と周辺症状(辺縁症状)があります。
中核症状としては、記憶障害・失見当識・判断力低下・失語・失認・実行機能障害があり、中核症状に付随して引き起こされる症状として周辺症状があります。
この周辺症状には、幻覚・妄想・せん妄・性格変化・徘徊などがあります。

認知症の患者さんへの接し方についてですが、叱ったり子ども扱いしたりすることはせず、普通の人と同じようにすることが大切だとされています。

また、間違ったことを言っていても否定はしない、同じことを話してきてもその都度返答するといった患者さんの自尊心を傷つけない接し方が求められます。

また、ご家族の方が在宅で介護をされるケースも多くあり、毎日介護をされている方の精神的負担も考慮する必要があります。
介護が負担になり、家庭内虐待が起こる状況も考えられ、介護をされる方や患者さんのためにも行政サービスや入所施設を活用するなど、「ひとりで抱え込まないこと」が大切です。
そういった面からも、日頃から有用な情報収集をすることや情報交換をしておくことは重要ですね。

★「認知症=高齢者の病気ではありません


[i] 厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイトより一部抜粋

参考資料 授業・実習・国試でよくでる・よく出合う疾患まるわかりガイド

     プチナース2019年4月号特別付録 岡田一義 執筆

     こころ検定2級対応メンタルケア心理士講座 精神医科学基礎テキスト

     2015年10月改訂版 メンタルケア学術学会 監修


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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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