10月も下旬となり徐々に寒くなってきました。
寒暖差によって人も体調を崩しやすくなりますが、動物も同じようです。
筆者の家には50匹以上のめだか+ヌマエビがいるのですが、気温差も相まって数匹病気になってしまいました……。
夏ごろから飼育をはじめたのですが、生き物を飼うことによって命についてより考えるようになりました。
それとともに毎日の疲れを癒してもらっています。
今回はアニマルセラピーについてお伝えしたいと思います。
アニマルセラピーとは
人と動物と触れ合うことで心理・情緒面によい効果をもたらすといわれ、特に幼児や高齢者、障がい者への効果が期待されており、病院内の緩和ケア病棟や幼稚園、保育園、高齢者施設での導入が増えています。
施設内で動物を飼育したり、施設へセラピードッグが訪問したりすることもあります。
動物と触れ合うことにより、今までは笑顔を見せることのなかった高齢者がよく笑うようになったり、他の人とのコミュニケーションが増えたり、飼育することで命に対する責任感が芽生えたりするということを耳にされたこともあるのではないでしょうか。
不登校の子どもへのアプローチ
学校不適応(不登校状態)の子どもに動物介在療法(AAT)というプログラムについて段階を踏んで実施したところ、不登校から相談室や保健室への登校ができるようになったという調査結果もあります。
このプログラムにはステージⅠからⅣまでの段階があり、子どもが動物愛護センターへ出向き、まずは自分が好きなこと(絵を描く、動物に触れる)からはじめ、餌やりなどのお世話、成犬のトレーニングなどを経て、一般来館者との接点をもったり、イベント補助をするなどの社会参加へと移行するというものです。
このプログラムを体験することによって、心理テストの結果、不安・抑うつ・緊張などの解消がみられたことや子どもは「他者に自分が受け入れられている」という肯定感から意識の変化が生まれ、不登校からの改善があったのではないかと報告されています。
終わりに
筆者は疲れきったときにただ単にぼーっと水槽を眺めているのですが、あっという間に時間が過ぎています。
この時間を過ごすことで、悩んでいることが案外どうでもよく思えてきます。
生き物を簡単に飼うことは難しいですが、ストレスがたまっている方は一度水族館や動物園に足をのばしてみてはいかがでしょうか。
それも難しいという方は、何かぼーっとできる素敵な時間をつくってお過ごしくださいね。
【参考文献・参考サイト】
学校不適応傾向の児童・生徒に対するアニマルセラピーの心理的効果についての分析
飯田 俊穂, 熊谷 一宏, 細萱 房枝, 栗林 春奈, 松澤 淑美 心身医学2008 年 48 巻 11 号 p. 945-954
アニマルセラピーとは 独立行政法人国立病院機構 宇都宮病院
https://utsunomiya.hosp.go.jp/about/cnt1_00070.html
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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