突然ですが、日本で裁判員制度がスタートして、今年で丸10年が経ったそうです。
市民から無作為に選ばれた裁判員が、裁判官とともに裁判を行うこの制度は、制度開始当時ニュース等で大きく取り上げられましたよね。
制度開始当初ほどではありませんが、最近でもニュース等で目にする機会も多いのではないでしょうか。
さて、今回は裁判に関連する心理学を紹介したいと思います。
裁判員制度と類似した陪審員制度が存在するアメリカで、このような実験が行われました。
同じ犯罪の内容を説明した上で、あるグループには犯人の写真として外見のよい人の写真を、別のグループには外見がよくない人の写真をそれぞれ提示したところ、外見のよい人に対してのほうが刑を軽く判断する傾向が見られました。
また、コーネル大学のスティーブン・セシ教授とジャスティン・ガンネルによる研究では、外見がよくない人の有罪判決率は外見がよい人に比べ22%増加し、さらに懲役の長さにおいても、平均22か月も長いという結果が現れています。
この件だけに関わらず、外見のよい人はカフェに入ったところ通りに面した席に案内されたり、ちょっとしたサービスを受けたりと、そうでない人に比べて優遇されるという話を聞くことも多々あります。
また、就職活動に関する調査では、外見のよい人(サクラであるモデル)とそうでない人の顔写真をパネルにして採用担当者に見せたところ、外見のよい人を選ぶ傾向がみられるという結果が出ていたのをテレビで観たことがあります。
話はもとに戻りますが、わたしやわたしの周りの人はいまのところ裁判員を務めた経験のある人はいませんが、いつか経験することになるかもしれないことを踏まえて、裁判員が実際に法廷で裁判に参加する際も、被告の外見や服装によって裁判員の判断に影響する可能性があることは頭に入れておきたいと思います。
参考文献 CORNELL CHRONICLE George Lowery May 11, 2010
http://news.cornell.edu/stories/2010/05/unattractive-people-pay-price-court
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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