前回、自律神経についてお話をしました が、ストレスをうけると自律神経のバランスが崩れ、心身に不調が現れます。
今回は、ストレスを受けることによって現れる心身の反応について書きたいと思います。
人間の脳は、ストレッサー(ストレスの原因)にさらされると、それが自分にとって負担なのかどうか評価・判断します。
そしてストレッサーが負担と判断された場合に、負担を少しでも軽減しようと対処します。
対処により負担が軽減されれば、ストレッサーに対し達成感や安堵感などのストレス反応で適応できている状態になりますが、負担が軽減されないとイライラや憂うつ感などのストレス反応が現れ、ストレッサーに適応できない状態が続きます。
適応できずに状態が悪化すると自律神経の働きに異常が現れ、様々な身体症状が現れるようになります。
「胃が痛い、気持ち悪い」など現れている場合は、ストレッサーに適応できていない状態になります。
以上のような、ストレスとこころの関係をよくゴムボールで例えられたりします。
ストレスのない状態ではゴムボールは凹みなどありませんが、ゴムボールを指で押さえると凹んでしまうように、外部からの刺激(ストレッサー)が加わると、刺激を受けた部分が凹んだり歪んだりします。
しかし、人のこころは、ゴムボールのように弾力性があるので、ストレスのない状態に戻ろうとする機能があります。
この反応を「ストレス反応」といいます。
ゴムボールの場合は、元の状態に戻ろうとすることや歪んだままになってしまう状態をいいます。
ストレスに適応(ゴムボールが元の形に戻る状態)できれば良いのですが、適応できず、イライラがずっと続き「胃が痛い」「頭が痛い」など心身に何かしらの変調をきたしている状態が、いわゆるゴムボールが凹んだままの状態なのです。
ゴムボールを凹んだままにしておくと、いずれ壊れてしまいます。
決して凹んだままにせず、自分に合ったストレス解消の方法を見つけて、元の丸い状態に戻していきましょう。
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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