明けましておめでとうございます。
今年も、この記事にて皆様に心理学に関することや、健康に関することを発信していきます。
皆様の目に留まれるよう努めてまいりますので、今年も宜しくお願い申し上げます。
2022年1発目ということで1月7日、すでにお仕事が始まっている方が多いと思いますが、お休み明けということで気持ちを切り替えられましたでしょうか?
そこで、今回は仕事のパフォーマンスを上げる方法の一つ、「社会的促進」をご紹介致します。
社会的促進というのは、自分の周囲に誰かがいることで課題や作業のパフォーマンスがあがるというものです。1898年にノーマン・トリプレットによって初めて実験を行い、その後研究が重ねられたそうです。
この社会的促進は人間が無意識に他者から見られていると感じるためにこのような効果が表れるため、学校、図書館、会社、あるいは電車の中でも発生する可能性があります。
よって、皆様は無意識に社会的促進が発生する状況にいるということです。
ですが、この社会的促進は周囲に誰かがいれば良いというわけではなく、得意なこと、不得意なことで効果が変わってきます。
このことについて、ミシガン大学のヘーゼル・マーカスが実験を行いました。
内容は以下の通りとなっております。
慣れていること(自分の靴を脱いで、また履く)と、慣れていないこと(自分の靴下の上に、重ねて靴下を履き、テニスシューズを履く)を自分1人で行ったときと、他人に見られている時で、速さを測定しました。
結果
- 慣れていることを一人で行ったとき・・・16.46秒
- 慣れていることを誰かに見られながら行ったとき・・・11.70秒
- 慣れていないことを一人で行ったとき・・・28.85
- 慣れていないことを誰かに見られながら行ったとき・・・33.94秒
引用:世界最先端の研究が教えるすごい心理学(総合法令出版株式会社)
結果から、得意なこと(慣れていること)は「誰かに見られている」とパフォーマンスが上がり、不得意なこと(慣れていないこと)は「一人で行う」とパフォーマンスが上がるということが分かります。
この社会的促進とは逆の効果が発生することを「社会的抑制」と呼びます。
私も、学生時代の部活動でのデモンストレーションで選ばれた際に、個人技(筆者が得意)の場合だと自分から進んで前に出ていましたが、戦術(筆者が苦手)の場合だと前に出るのをためらっていたので、社会的促進(抑制)の経験があったのかとふと思い出しました。
新しい年も始まったということで、お休み明けの良いスタートダッシュを切るための一つの方法として「社会的促進(抑制)」を意識して、慣れている業務は誰かのいる前で、慣れていない業務は一人で黙々と作業を分けてみるのもいいかもしれませんね。
また、この「社会的促進(抑制)」はこころ検定公式テキストでも紹介されています。
2022年新しいことにチャレンジしたいと考えている方にとってとても良い検定となっております。
ぜひ、こころ検定にチャレンジしてみてくださいね。
2022年も宜しくお願いします!!!!!!!
参考文献
- 興味の窓 【社会的促進/社会的抑制】 「他者の存在があなたのパフォーマンスに及ぼす作用とは」
https://kyo-mado.net/social-facilitation/ - 世界最先端が教えるすごい心理学
- 総合法令出版株式会社 内田諠人
- こころ検定公式テキスト4級 P144-149 第5章自分と他者のこころ(2)なぜ他者が気になるのか
- 日本学術会議協力学術研究団体メンタルケア学術学会 監修
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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