田舎ならではと思うのですが、金木犀の香りで秋の訪れを感じている今日この頃。
金木犀の香りを嗅ぐと、小学生の時、よく花だけを摘んで、それを水の入った瓶に入れて遊んでいたことを思い出します。
あるにおいを嗅ぐと昔の記憶がフラッシュバックされたりしませんか?
今回は、嗅覚と記憶の関係について書いていきたいと思います。
まずは人がにおいを感じる嗅覚の仕組みについてです。
そもそもにおいとは、空気中に飛んでいる様々な物質の分子で、これがにおいのもととなります。
鼻にはにおいの分子をとらえる臭細胞があり、においの分子が鼻の中に入ってくると、鼻腔の嗅粘膜に溶け込み、嗅上皮に約1000万個ある嗅細胞がそれを感知し、電気信号を発生させ、その電気信号が嗅神経を伝って大脳に送られて、においを感じる仕組みになっています。
嗅覚と記憶の関係
記憶と嗅覚は関連していると聞いたことはないでしょうか?
金木犀の話もそうですが、例えば、昔よく食べた食べ物のにおいを嗅ぐと、「昔よく食べたなぁ」と昔の出来事を思い出したり、香りで昔付き合っていた人のことを思い出すなど、このような現象を「プルースト効果」といいます。
なぜ、においを嗅ぐと記憶が蘇るのかというとこれにはきちんと理由があるのです。
先程お話をした、「大脳に送られる」ところにポイントがあります。
嗅覚以外の感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚)は、全て視床と繋がっているのですが、嗅覚は違って、大脳辺縁系の扁桃体と海馬という記憶と感情を処理する部位に直接伝わるため、
嗅いだにおいは、記憶と絡み合って、思い出と一緒に思い出されることが可能になるのです。
これは感覚の中でも嗅覚だけがもつ特徴となります。
★「記憶の心理学」
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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