複雑性PTSD―誹謗中傷はトラウマになります―

秋篠宮家の眞子さまの報道で、「複雑性PTSD」という言葉を耳にするようになったと思います。

PTSD」は、メンタルケア心理士のテキストにも出てきますので、ある程度は理解していますが、「PTSD」に「複雑性」という言葉がくっついた「複雑性PTSD」は初めて聞きました。

今回は、複雑性PTSDについて書きたいと思います。

複雑性PTSDは、2018年にICD-11に新しい診断名として導入されました。

PTSDと診断された方の中には、PTSDでも複雑性PTSDの方もかなりいるといわれています。

PTSDについてですが、PTSDには単純性PTSD複雑性PTSDの2種類があります。

単純性PDSD

単純性PTSDは、災害や事故、戦争、犯罪被害など、死と隣り合わせの危険な出来事や強いショックを受けるような出来事を経験・目撃した後、トラウマ(心的外傷)となり発症してしまうものです。

単純性PTSDは、トラウマとなる出来事を経験する頻度が少ないのに対し、複雑性PTSDは、虐待、DV、いじめ、ハラスメント、両親の喧嘩などトラウマとなる出来事を繰り返し経験・目撃してしまうことでトラウマとなり発症してしまうものです。

複雑性PDSD

複雑性PTSDの症状としては、PTSDの症状に加えて、感情を抑制してしまう「感情調節障害」、自己に関する卑小感、敗北感、無価値感を持ってしまう「否定的自己概念」、対人関係を保ち他者に親密性を持つことが困難などの「対人関係障害」などが特徴として挙げられます。

今回眞子さまについても、ご自身の結婚に関する誹謗中傷など、長期にわたり経験されたことによるものといわれています。

ネット上での誹謗中傷は、トラウマ(心的外傷)となる出来事なのです。

記憶に新しいもので、女子プロレスラーの木村花選手もSNSでの中傷で自ら命を絶ちました。

顔が見えないから分からない、みんな書いているから大丈夫、と思っているかもしれませんが、言葉の暴力は、こころを傷つけるし、死に追いやる場合もあります。

色々な考えがあると思いますが、発言する前に、自分が言われたら・・・と考えてみてください。

[参考文献]


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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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