災害とトラウマについて

8年前の2011年3月11日は忘れられない日となりました。

私もテレビで現場の映像を見ていましたが、津波の映像が衝撃で、今でも頭に残っています。
犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、改めて被災地の復興を願います。

今回は災害をテーマにトラウマ(心的外傷)について書きたいと思います。

私も何か嫌な思いとか恐い思いとかすると「トラウマになりそう」と言ったりしますが、そこまで深刻な心の傷ではなく、その言葉を安易に使ったりすることがあります。

そもそも“トラウマ”とは?

トラウマは、心的外傷と訳され、元々は自然災害、戦争、犯罪、事故などの出来事が心に影響を及ぼした時に使われる用語です。
このトラウマの影響で様々な精神的な異常を引き起こしたものをPTSDといいます。

PTSDは、ベトナム戦争帰還兵や難民の中に、心が不安定で社会に復帰できない人たちが少なくないことから関心が高まったもので、1995年1月の阪神・淡路大震災の時、被災者の心のケアに関して注目されてから、日本でも一般的に知られるようになりました。

米国精神医学会診断統計マニュアル第5版(DSM-5)の基準によると、PTSDとは、実際にまたは危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ(心的外傷)体験に晒されたことで生じる、特徴的なストレス症状群のことを指し、心的外傷的出来事に他人が巻き込まれるのを目撃することや、家族や親しい者が巻き込まれたのを知ることもトラウマ体験となります。


阪神淡路大震災の時に、「地震ごっこ」、東日本大震災では「津波ごっこ」をする子どもが多く見られたそうで、「津波がきた」「地震がきた」の合図で子どもたちが一斉に机や椅子に上がったり、机の下に隠れたりする遊びだそうです。

これは子どもたちが地震と津波の衝撃を、遊びを通じて克服しようと格闘しているのだといいます。
「津波ごっこ」や「地震ごっこ」に対しては、不謹慎と捉えず、子どもがトラウマと向き合い、克服しようとする現れだと捉え、周りの大人がそうした遊びを受け入れ見守ることが重要であることが指摘されています。

★「複雑性PTSD」に関する記事はこちら


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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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