かき氷にはさまざまな味のシロップがあり、いろいろな味を楽しめるようになっていますよね。
しかし、実はかき氷のシロップはどれも同じ味なのです。
どうして同じ成分なのに違う味に感じてしまうのか、その理由について紹介したいと思います。
友人とフルーツ風味の駄菓子を食べていて、味を当てるゲームをしていたのですが、それが全く当たらない!
パッケージ表を見ると、「無果汁」。
さらに、裏の原材料を確認したところ、「着色料」で違いを出しています。
フルーツ風味の駄菓子を食べているときに、ふとかき氷シロップは実は同じ味らしいという都市伝説を思い出し、記事を書き進めていきたいと思います。
結果を言ってしまえば、『かき氷シロップは着色料と香料が違うだけで、実はどれも味の成分は一緒』ということなのです。
全て同じ味なのに、なぜイチゴ味のシロップは「イチゴの味がする」と認識してしまうでしょうか。
それには、脳の働きが関係しています。
人間は食べ物の味を「舌」のみで判断していると思いがちですが、実はそれだけではありません。
味覚の情報に加え視覚と嗅覚の情報を脳で判断することで味を決定しています。
例えば、イチゴ味のシロップには「イチゴ=赤」というイメージで着色料が用いられており、匂いをイチゴ香料で再現しています。
色と同様に匂いも「イチゴの匂い」という情報が脳にインプットされているため、イチゴ香料から感じる匂いで脳が「これはイチゴ味だ」と判断してしまうのです。
この2つの「錯覚」により脳はイチゴと判断してしまったため、他のシロップと同じ味でもイチゴ味という幻の味を味わってしまうのです。
このように、脳の味覚判断には視覚と嗅覚が大きな役割を持ちます。
テレビの番組で目隠しして食べたものを当てるというクイズで答えられなかったり、風邪を引いて鼻が詰まっているときに食べ物がおいしく感じなかったりするのは、視覚と嗅覚が遮断されたことにより味を明確に判別できなくなるからなのです。
こう考えるとかき氷のシロップは、視覚・嗅覚・味覚という3つの感覚から伝えられる情報の多さで味を判断するという脳の働きをうまく利用した商品なのかもしれません。
脳はさまざまな情報から物事を判断し、体に命令を伝達します。
かき氷のシロップのように香料や着色料によって「錯覚」を起こしてしまうという現象も脳が器官から得た情報と蓄積した知識・経験から適切な判断を下した結果といえます。
このように、脳の働きを研究する学問を広く「脳科学」と呼びますが、脳科学の範囲は広くさまざまな学問からアプローチが可能です。
脳のどのような機能や性質を学びたいかによって学ぶべき学問が異なります。
今回のような人間の行動による脳の働きは心理学的な観点から研究が行なわれています。
もし人間の行動や心理的な観点から脳のことを学びたいと思った方は、是非「文部科学省後援こころ検定」を勉強してみてはいかがでしょうか?
誰でも学べる心理学「こころ検定」に興味を持っていただけたら嬉しいです!
【出典】
AISSY.inc 味博士の研究所
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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