仕事も遊びも一生懸命の日と心理学の関係

仕事も遊びも一生懸命の日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか

6月21日は「仕事も遊びも一生懸命の日」

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。6月21日は「仕事も遊びも一生懸命の日」に制定されています。これは富士企画株式会社が制定したものです。この日は働き方改革やワーク・ライフ・バランスが重視される中、仕事と遊びのどちらが重要というのではなく、両方とも全力で取り組む日とすることが目的としています。日付の由来は一年で一番、昼の時間が長い「夏至」(6月21日頃)の日となっています。この日はバーベキューをするなどの提案がなされています。

では、ワーク・ライフ・バランスと心理学には、どのような関係があるのでしょうか。

ワーク・ライフ・バランスとは

ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と生活の調和という意味であり、仕事とプライベートをバランス良い状態にすることを指します。このワーク・ライフ・バランスについて、仕事と生活の調和憲章および仕事と生活の調和推進のための行動指針が2007年に策定されました。それ以前の日本の社会はプライベートよりも仕事を優先してきており、仕事を重視したアンバランスな状態でした。しかし、近年の産業場面のメンタルヘルスをはじめとする様々な問題に対して、仕事と生活のアンバランスな状態を改善し、ワーク・ライフ・バランスを重視していく必要性が高まっています。そこで、経済界・労働界・地方自治体・有識者・関係閣僚から構成される仕事と生活の調和推進官民トップ会議において、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章と仕事と生活の調和推進のための行動指針がそれぞれ2007年に策定されています(2016年に一部改正)。

ワーク・ライフ・バランス憲章について

ワーク・ライフ・バランス憲章では、国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった、人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会が仕事と生活の調和が実現した社会であると定義しています。そして、ワーク・ライフ・バランス憲章では、具体的な目標とする社会として

  1. 就労による経済的自立が可能な社会
  2. 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
  3. 多様な働き方・生き方が選択できる社会

 
この3つの社会の在り方を挙げています。

ワーク・ライフ・バランスとメンタルへルス対策には共通点が多く、メンタルへルス対策に取り組むことが結果的にワーク・ライフ・バランスを実現させることにつながるとされています。ワーク・ライフ・バランスを実現することに対するメリットとして、労働者個人については、健康が保たれ、仕事とプライベート(育児・介護・地域活動・自己啓発など)の両面の充実が挙げられます。企業・事業所については、仕事の生産性向上、新たな気づきが仕事に好影響を与え、新しい商品・サービスのアイデアにつながる可能性が高まることが挙げられます。

ワーク・ライフ・バランスとストレスチェック制度の関係について

ワーク・ライフ・バランスはストレスチェック制度の中にも組み込まれています。ストレスチェックにおいて使用が推奨されている職業性ストレス簡易調査票の80問版・120問版において、ワーク・ライフ・バランスに関する質問項目が含まれています。この質問群では、ワーク・ライフ・バランスをポジティブとネガティブの2つの側面から測定・評価しています。より具体的には、仕事で学んだことを活かして自分の生活を充実させることができているかどうか、仕事でエネルギーをもらうことで、自分の生活がさらに充実させることができているかどうか、仕事のことを考えているため自分の生活を充実させられない、仕事のスケジュールのために自分の生活を充実させられない等の項目で構成されています。

最後に

ワーク・ライフ・バランスや関連する概念であるワーク・エンゲイジメントについては、ストレスチェックの中で活用されています。ストレスチェックについては、こころ検定1級のテキストである精神予防政策学の中で概観していますので、興味・関心のある方は、是非、勉強してみていただければと思います。


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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