-ご褒美があれば頑張れるかもしれない―

以前から、当サイトでは動機づけについて「モチベーションを維持するためには」「やる気はなぜ起こるのか?」の記事をアップしてきました。
そして前回「あなたはポジティブ派?それともネガティブ派?」という記事で“冬の朝は寒いから布団から出たくない”というお話をしました。
早いものであれから1週間過ぎ、ますます朝の冷え込みが辛く、いよいよ布団から出られない気がしています。

さて、「外発的動機づけ」は「昇進したいから、仕事を頑張る」ということでした。
また、本来「楽しいな」と思ってやっていたピアノ(内発的動機付け)を「このバイエルが上手に弾けたら、来月のお小遣いアップするよ!」といわれ、お小遣いアップという目的のために練習をする(外発的動機づけにかわる)という現象を「アンダーマイニング効果」といいました。
この例でいえば、義務だけでやらされている感があって、あまり望ましくはないですよね。

では、その逆で「外発的動機づけ」が「内発的動機づけ」となることはあるのでしょうか。
「エンハンシング効果」という現象があり「賞賛をすることで相手の内発的意欲を高める」というものです。
勉強を嫌々していた子どもに「出来てるよ!」「頑張ったね!」と声かけすることで学習への内的な意識が高まるという理論です。
1925年のハーロックの実験では、ほめられた子どものグループの成績が、そうではないグループに比べて71%も上昇したという結果がでています。

大人になると他人から褒められることはあまりありませんよね。
「出来て当たり前」「なんでそんなこともできないのか」…。
筆者はたまには褒められたっていいじゃないかと思い、自分で自分を大げさに褒めています(甘やかすともいう)。
「寒いのに布団から出て偉いよね」など。
もちろん、やる気がご褒美によるものでもいかもしれません。
「この仕事が終わったら鬼〇の〇を観にいく!」でも、ご褒美があればあと少しだけ頑張れるかもしれませんね。

参考文献

保育内容「人間関係」から考える意欲の育成のための条件 ―小学校との連携を視野に入れた外発的な意欲― 赤間 健一 2016年 福岡女学院大学 福岡女学院大学紀要・人間関係学部編 紀要論文 第17号

「内発的動機づけに及ぼす報酬の効果」 木村 道浩 2008年 弘前大学学術情報リポジトリ


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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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