そのセールは本当にお得?

近年、日本でもブラックフライデーが話題となり、わたしがよく行くお店でもセールを行っていて「あ!安い!!」と思ってつい買いこんでしまったのですが、家に帰ってよく考えると「これ、(本当に)いる?(さほど)安い???」ということがあります。なんでもかんでもセールに飛びつくのは危険ですね。そのうち、年末のボーナス商戦~年始のお年玉セールが始まるので、誘惑に気を付けたいと思います。

さて、先日「短期記憶の特性はネット通販にも活用?」という記事を書いたのですが、ビジネスの世界ではその他にも、売り上げ向上に心理学を活用している例が多く存在します。認知心理学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーが1974年に発表した論文の中で「認知バイアス」について論じており、今回はそのうちの1つである「アンカリング効果」について紹介していきたいと思います。

アンカリング効果とは、最初に提示した価格や情報が消費者の購買判断の基準に大きな影響を及ぼす心理効果の一種です。身近な例を1つあげると、家電量販店で冷蔵庫を買おうとするとき「通常価格10万円のところ、在庫処分のため今だけ50%OFFの5万円!」と表示されていたら、元々は10万円で売られていた冷蔵庫が5万円で買えるのなら、元々5万円前後で売られている他の冷蔵庫よりも機能が高いはず!だからお買い得!と思うのではないでしょうか。

最初に提示された、「通常価格10万円」という情報が半ば無意識に購入の判断基準に大きく影響を及ぼすことがわかります。このアンカリング効果ですが、価値判断が容易な商品では効果はあまり見られないとされています。例えば缶コーヒーは100円前後と一般的に認識されていますよね。そのため、「通常価格1,000円のところ、今だけ半額の500円!」と言われても「ん?安いのか?」とお得感は感じませんよね。逆に価値の判断が難しいものでは効果が高いとされています。アンカリング効果はマーケティングや営業現場でよく活用されていますが、特に価格表示の場合は二重価格にならないように注意が必要です。

参考:ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?

ダニエル・カーネマン 著 村井章子 訳 早川書房 (2014)

 

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