「褒められて伸びるタイプ」というフレーズをよく耳にしますが、実際に「褒める」といってもなかなか難しいですよね。心理学的に考えてみましょう。
近年、心理学的にも科学的にも褒めることの効果が研究され、スポーツ選手のメンタルトレーニングなど、褒めることはさまざまな場面で取り入れられるようになっています。
以前「子どもを褒めるときには努力を褒めると効果大?」の記事では褒め方の違いによる子どもの意欲への影響についての研究を紹介しました。
今回は褒めることが心理学的になぜ効果があるのかを解説するとともに、効果の高い褒め方をご紹介します。
褒めることは人のやる気を引き出します。
ノースキャロライナ大学の教育研究者ドーソン・ハンコックが行った実験により、すぐに褒めると、褒められた行動がより持続することがわかっています。
(参考:マネジメントは「叱る」より「褒める」が効果あり!その根拠とすぐ使える効果的な褒め方/褒めるべき行動をしたら、すぐ褒めるhttps://media.unipos.me/praise-effect)
また有名な「ピグマリオン効果」(教育心理学における心理行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上すること。)にもあるように、褒めることはやる気だけでなく試験などの結果向上にも繋がります。
しかし、褒め方が悪いと、褒めることのメリットを最大限に活かせません。
【褒めの効果を最大化する褒め方のルール】
- 行動を起こした直後に褒める
- 事前に評価基準を伝えておく
1つ目は、相手が何か行動を起こした直後に褒めることです。
時間が経ってから人に褒められても、やる気や結果を引き出しにくくなってしまいます。
もう一つは、何をしたら褒めてもらえるか(評価基準)を、予め相手に伝えておくことです。
評価基準を事前に相手に伝えておくことは、極めて重要です。
例えば、先生が「発表会ではハキハキと、全体に聞こえるように話すことが大切」と考えている場合、「ハキハキ話そう」とあらかじめ学生に伝えておきます。
そして、学生がハキハキと発表ができたら、「ハキハキと話せていたね」と褒めるのです。
注意すべき点は、評価基準とほめるポイントがズレないようにすることです。
先生が「ハキハキと話すことが大切」と伝えていたのに、発表後に「内容がまとまっていた」と褒めては、学生が混乱してしまいます。
つまり、評価基準をクリアしようと、行動したこと自体を褒めてあげるのです。
この2点をおさえた上で褒めると、より効果的なやる気や結果を引き出すことができます。
効果的な褒め方を駆使して、より円滑な人間関係を築いていけたらいいですね。
参考文献
マネジメントは「叱る」より「褒める」が効果あり!その根拠とすぐ使える効果的な褒め方/褒めるべき行動をしたら、すぐ褒める
「ほめて伸ばす」心理学‐NGなほめ方と効果的なほめ方の違いとは?
https://news.mynavi.jp/article/20210126-1673945/
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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