香りで記憶がよみがえる―プルースト効果―

最近、よくテレビなどでよく流れるあの曲。

先日も歌番組で某グループのメンバーとコラボしたり、お笑い芸人やアーティストなどがカバーして歌った動画がアップされていたりして話題になっています。

“君のドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ”というサビの部分が印象的で、一度聴いたら頭から離れません。

その歌詞でピンときた方もいらっしゃると思います。

そう、あの瑛人さんの『香水』という曲です。

私も最近よく聞いています。

その曲の中で“君のドルチェ&ガッバーナの香水が思い出させる”という歌詞があるように、香りが記憶や感情を呼び起こすという経験、皆さんもあるのではないでしょうか?

懐かしいものや甘酸っぱいもの、中には思い出したくない悲しい思い出が蘇ることもあるかもしれません。

今回は、香りと記憶の関係について書いていきたいと思います。

香水の歌詞のように香りで昔付き合っていた人のことを思い出すなど、このような現象を「プルースト効果」といいます。

なぜ香りで記憶が蘇るのかというと、それは嗅覚の仕組みに答えがあります。

嗅覚の仕組みについてですが、まず空気中に飛んでいる様々な物質の分子がにおいのもととなります。

鼻にはにおいの分子をとらえる臭細胞があり、においの分子が鼻の中に入ってくると、鼻腔の嗅粘膜に溶け込み、嗅上皮に約1000万個ある嗅細胞がそれを感知し、電気信号を発生させ、その電気信号が嗅神経を伝って大脳に送られて、においを感じる仕組みになっています。

この「大脳に送られる」というところにポイントがあり、嗅覚以外の感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚)は、全て視床と繋がっているのですが、嗅覚は違って、大脳辺縁系の扁桃体と海馬という記憶と感情を処理する部位に直接伝わります。

そのため香りは記憶と絡み合って、香りをかぐことによって思い出されるきっかけになるのです。

[参考文献]

STUDY HACKER 2014/12/2「脳は「匂い」に逆らえない。匂いで記憶をコントロールする方法。」https://studyhacker.net/columns/aroma-brain


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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