メンタルと栄養について

「精神栄養学」、「栄養精神医学」などの学問があるのをご存じでしょうか?

簡単にいうと、食・栄養素がメンタルにどのような影響を与えているか、精神疾患を食や栄養の観点から捉え、研究しているものです。

ビタミンやミネラルなど、食事からとれる栄養素は様々がありますが、今回はメンタルと栄養素をテーマに書きたいと思います。

「イライラしてるけど、カルシウム足りてる?」というフレーズを聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、実はこれには科学的な根拠はなりそうです。

カルシウムは、骨を形成するために必要な栄養素で、不足すると骨がもろくなり骨粗鬆症などを引き起こす原因になりますが、不足したからといって直接イライラの原因になっているわけではありません。

うつ病と栄養素の関係について

ビタミンやミネラルの不足は、うつ病のリスクを高めると考えられています。

特に、ビタミンの一種である葉酸は、不足がうつ病発症のリスクになることが分かっており、うつ病患者は、血液中の葉酸値が低く、葉酸を投与すると改善したとの報告もあります。

また、ビタミンDも同様に、うつ病患者は濃度が低い傾向にあるといわれています。

ビタミンDの合成には、日光に当たる必要があるのですが、最近では美容のために日焼け対策や日光を避ける傾向があり、このビタミンDが不足しがちだといわれています。

日照時間が短くなる冬には、「冬季うつ」という季節性のうつ病もあり、日照時間が短くなることで、ビタミンDが不足することが関連していると考えられています。

それでは、日照時間が短くなる冬はどうしたら良いのかと思う方がいるかもしれませんが、心配いりません。

ビタミンDは、鮭やサンマなど魚から摂取することも可能なのです。

これからおいしい時期を迎えるので、積極的に食べて、補いましょう。

参考文献

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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