5月最後の金曜日となりました。筆者の大嫌いな季節がやってきます。
そうです、梅雨の時期です。
梅雨というのは、「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多くあらわれる期間」として気象庁では捉えられています。
湿度も高く、いわゆる「じめじめする」というあの感覚をほぼ毎日といっていいほど感じる季節なのは皆様もご存じだと思います。
心理学でも古くから天気と気分の研究や調査はされており、晴天だとポジティブな気分、雨天あるいは曇りの場合、ネガティブな気分になりやすいということが分かっています。
梅雨は雨の日が多い季節で、気分的に落ち込みやすい時期になりますので、気分が上がらない時は、天気のせいにしてしまいましょう。
とはいっても、毎日気分が落ち込んでいるのは嫌なので、気分を上げたいと思いませんか?
良いことがあって気分が上がったり、美味しいご飯を食べて気分を上げたりと方法はたくさんあると思います。
筆者は、そんな時は音楽を聴いて気分を上げています(ジャンルは全ジャンル聴きます)。
音楽を聴くとストレスが緩和するというイメージを持たれている方も多いと思いますが、果たしてそれは本当なのでしょうか。
大阪大学大学院人間科学研究科の西川氏の研究結果によると「音楽を好ましく感じたからストレスが軽減した」とされており、好きな音楽を聴くことで心理的ストレスの改善の可能性が示唆されています。
また、「音楽聴取前の心理的ストレスが高いと、聴取音楽を好ましいと感じない傾向がある」ということも示唆されています。
これは、毎朝の目覚ましアラームの音楽を好きな音楽に設定すると、好きじゃなくなるあの現象に近いものに感じます。
しかし、文教大学人間科学部の石原氏の研究結果によると「悲しい感情の状態で、悲しい音楽を聴取することで、悲しい気分が提言し、気分の改善が生じることが認められた」とされています。
この研究では、緊張-不安や、怒り-敵意などのネガティブな心理尺度を分析して、多くの尺度にて有意な結果が出ていたので、確実とまではいきませんがネガティブな音楽を聴くことで、ネガティブな気分が改善する傾向があると考えられます。
実際、「チルアウト」や「ローファイ」のような、ゆったりとしたジャンルの音楽が最近、流行っていた(流行っている)のを身の回りの知人から聞いたことがあります。
好きな音楽は人それぞれかと思いますが、こういった研究や調査の結果もありますので、悲しい音楽をお試しで聴いてみたり、ストレスを感じている時は新しい音楽を聴かないようにしてみたりと試してみてください。
まずは、気分を上げて毎日を過ごせるよう、自身に合った気分の上げ方を探してみてください。
6月に入りますが、お仕事に学校、日々の頑張っていること、たくさんあるかと思います。
体調には気を付けて日々の頑張りを積み重ねていきましょう。
参考文献
- 気象庁 Japan Meteorological Agency
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html - 西川昭子 2016「音楽聴取が心理的および生理的ストレスに及ぼす影響:音楽嗜好の違いによる検討」 大阪大学大学院 人間科学研究科. 大阪大学教育学年報. 21 P.55-P.65
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/57420/aes21-055.pdf - 石原俊一 2020「ネガティブ感情状態に対する短調音楽における自立神経系反応の検討」 文京大学 人間科学部. 人間科学研究. 42 P.45-P.57
https://bunkyo.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=7908&file_id=37&file_no=1 - 「チル、Lo-fiって何?」最近よく聴く音楽のジャンルについて
https://ryu110.com/blog/chill-lofi/
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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