「コロナワクチンを打つと不妊になる」
この情報が拡散されているのをご存じでしょうか?
昨年から拡散され続けて、その数は20万件にものぼるそうです。
しかしこの情報は確かな科学的根拠はなく、医師や専門家も否定をしています。
なぜ誤った情報、要するにデマ(流言)が広がってしまうのでしょうか?
今回はデマ(流言)が広がりやすい人間の心理、SNS上で拡散されやすい理由を考えていこうと思います。
デマを広めてしまう人には5つの心理的要因があるそうです。
1つ目は緊張や不安といった感情を解消させる「カタルシスの発散」。
2つ目は、自分が特に大きな被害を受けていないのにもかかわらず、不安で落ち着かない理由を何とか見つけようとする「不安の正当化」。
3つ目は誰かと不安を共有したいという「運命共同体の意識を形成する心理」。
4つ目は自分だけが知っている情報を流したいという「優越感の誇示」。
5つ目は、自分の聞きかじった情報の真偽を確かめようとつい他人に流言してしまう「情報の確認・交換」。
(引用:Spectee 「新型コロナウイルスの事例から見るSNS時代のデマについて」2020.04.26 https://spectee.co.jp/report/disinfo_of_coronavirus_in_sns_era/)
現代において情報は力です。
人は、情報を集めようとします。
昔と比べて、検索サイトで調べるよりもSNSでの情報入手が主流になっています。
そして、入手した情報は発信したくなります。
善意で情報を伝えたい人もいれば、自分の力を示すために新しくて重要な情報をすぐに伝えたくなる人もいます(多くの現代人はそうかもしれません)。
現代のデマはこうして広がっていきます。
それでは、デマを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
それは簡単です。
信頼のおけるところからの迅速な情報発信を待つのです。
SNS上で情報を見たときに、飛びつきたくなる情報があります。
すぐにリツイートしたいと感じる情報があります。
とても面白かったり、自分の意見や感情とピッタリだったり、今の状況ならぜひ伝えたいと感じるものです。
しかし、そんな時こそ、要注意するべきなのです。
少し時間を使って調べると、その情報が自分に届くころには、その情報がデマならデマのウソ情報であるという情報も、検索結果の少し下の方で見つかるでしょう。
不安が大きい今だからこそ、冷静な行動をし、正しいネットリテラシーを身につけましょう。
参考文献
NHK NEWS WEB「“ワクチンで不妊”のデマ なぜ拡散し続けているのか 」2021年8月10日 18時44分https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210810/k10013192071000.html(閲覧日:2021/9/9)
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
こころのサイエンス編集部の紹介はこちら
最新情報をお届けします
Twitter でフォローしよう!
Follow @cocorokeninfo