しつけと体罰

2020年4月に改正児童虐待防止法が施行されました。
今回の法改正は、昨今問題になっている児童虐待防止対策の強化を図ることをメインとしています。
この中には親権者や児童福祉施設の施設長による児童への体罰の禁止や児童相談所の体制強化などが盛り込まれています。
さて、この「体罰」とは一体何なのでしょうか。

体罰とは“こらしめのために、身体的な苦痛を与えること。(大辞林 第三版)”とされています。
遠い昔、まだわたしが小学生だった頃に体罰は確かに存在していました。
少しでも教師の気に入らないことがあると、児童を一列に並ばせて分厚い辞書の角で頭を叩かれたりということもありました。
今となっては一体何だったんだろうと思いますが…。

また、家庭内でも少しでも悪いことをすると家から閉め出されたり、ものすごい勢いで怒られたり、しばかれ(痛めつけ)たりということがあり、少なくともわたしの周囲はそういった家庭が多く、ガツンと怒られるのが当たり前でした(昭和世代です)。

近年の研究によると「殴ったりどなったりすることは脳の発達に深刻な影響を及ぼしたり、3歳半までに叩かれた子どもは5歳半の時に問題行動を起こすリスクが高まったり、親に恐怖心を持ち、誰にも相談出来ずにいじめや非行に発展したり巻き込まれる」おそれがあるとのことです。

これだけ聞くと「殴らないでおこう、怒鳴らないでおきたい…」と思うのですが、怒らない子育て…実際、難しいところです。
なにもかも許容しろということではありません。
叱るべき時は叱らないといけません。
悪いことは悪いと教えなければいけません。

ただ、大人は大人で、仕事でイライラ、家庭でイライラすることもあります。
大人だって色々ありますよね。
しつけと体罰の線引きは難しいところではありますが、「叱ること」と「怒ること」の違いを大人がきちんと理解して子どもと接することが出来ればよいですね。
★「【虐待】育児・介護に疲れたら

参考サイト

  • 保護者による体罰禁止、2020年4月から施行――改正法が成立

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
こころのサイエンス編集部の紹介はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でフォローしよう!