厚生労働省と警察庁は2022年に自殺をした小中高校生が514人で過去最多と公表をしました。
1980年に統計を開始してから初めて500人を超えたとのことです。
自殺者の内訳
令和4年の児童生徒(小中高生)の自殺者数のうち、高校生が68.9%と最も多く、自殺の原因については、様々な原因が重なっていますが、判明している中で、統計上の原因・動機で多かったのは、男子・女子ともに全日制の高校では「学校問題」、定時制・通信制の高校では「健康問題」でした。
この「健康問題」を原因・動機とする自殺者数の内訳としては、「病気の悩み・影響(うつ病)」が最も多いということです。
うつ病とは
うつ病は、気分障害の一つで、気分がひどく落ち込んだり、何事にも興味を持てなくなったりし、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状が現れ、日常生活に支障が生じるようになります。
「楽・喜・快」などといったポジティブな感情が失われて無気力になるのが特徴ですが、「このままではいけない」とあせる気持ちが空回りして、急にイライラしたり怒りっぽくなることもあります。これは子どもによく発症するといいます。
また、これは反抗期として見逃される可能性も高いそうです。
うつ病のこころのサイン
- ゆううつ、悲しい
- 無気力、無関心
- 意欲、集中力、決断力が低下する
- 焦燥感、自責感が強くなる
- 悲観的になる
- 柔軟な考え方ができなくなる
- 将来に希望がもてなくなる
うつ病の身体のサイン
- 眠れない、もしくは寝過ぎる
- 食欲が低下する、もしくは食べ過ぎる
- だるい、疲れやすい、元気が出ない
- 頭痛、頭重、めまい、吐き気など
(引用)厚生労働省 子どものSOSサイン「うつ病とは?」
子どもは自分の心身の不調を言葉で訴えることが難しいので、上記を参考に周囲の大人がSOSサインを知り、早めに気づけるようになってほしいと思います。
相談窓口のご案内
子供向けの相談窓口には、
- チャイルドラインの電話相談窓口(0120-99-7777)
- 文部科学省による24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)「なやみ言おう」
- 法務省による子どもの人権110番(0120-007-110)
などがあります。
また、「チャイルドライン」のホームページでは、チャットでも相談できます。
つらいと感じたり、誰かに話を聞いてほしいと思ったら、まずは連絡してみてください。
大人を含めて、さまざまな相談機関を検索できる厚生労働省のサイトもあります。
保護者が相談できるところもありますので、活用をしてくださいね。
周りの大人は、子どもの小さな変化やSOSに気付けるよう見守りましょう。
参考文献
- 教育新聞 「児童生徒の自殺、過去最多の514人 学業不振や進路に悩み」
https://www.kyobun.co.jp/news/20230314_02/ - 警察庁「令和4年中における自殺の状況」
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R05/R4jisatsunojoukyou.pdf - 厚生労働省「いのち支える自殺対策推進センター」
https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/001079456.pdf - 厚生労働省 第2節「自殺の状況をめぐる分析」
https://www.mhlw.go.jp/content/h28h-2-02.pdf - 厚生労働省 子どものSOSサイン「うつ病とは?」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/sos/text3.html
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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