以前、学習心理学(刺激と反応)について取り上げたことがあるのですが(条件付けについて~古典的条件付け編~など)、これは、
- 犬にエサを与える(無条件刺激US)と、唾液の分泌が起こる(無条件反応UR)
- ベルを鳴らす(中性刺激NS)・エサを与える(無条件刺激US)という刺激の対提示を繰り返すことで、
- ベルを鳴らす(条件刺激CS)と唾液の分泌が起こる(条件反応CR)
という条件付けが成立するというものでした。
さて、この古典的条件付けはわたしたちの日常ともかかわりがあります。
一例として、買い物中に「蛍の光」が流れると、退店しなくてはという焦りの心理になるのも古典的条件付けによるものです。
また、大好きな牡蠣を食べて当たってしまい、辛い思いをしたことにより、それからは牡蠣が嫌いになってしまったというのもこの条件付けにあたります。
古典的条件付けを応用したものでは、行動療法のひとつでもあるフラッディング法(恐怖心を抱いている人に対し、あえて強い恐怖状況に長時間さらすことで恐怖の消去を促す)や、アラームシーツ法(夜尿症の子どもがおねしょをしたらシーツについたセンサーが感知しブザーで知らせ、尿意により目を覚まし自分でトイレに行くようになる)などが挙げられます。
また、有名な古典的条件付けの実験として、アルバート坊やの実験があります。これは生後11ヶ月のアルバート坊やと白ネズミを遊ばせておいて、坊やが白ネズミに触れたときに背後で大きな金属音を鳴らし、当然、坊やは恐怖で泣きわめくことになるのですが、これを何度も繰り返し恐怖心を植え付けるという…恐怖条件づけを行ったものです。
また、白ネズミにだけではなく、似たような白くてふわふわしたものに対しても恐怖心をもつようになりました(これを般化といいます)。
これは当時からも倫理的に問題があるのではと物議を醸したそうです(今はきちんとした手続きをふまえて実験は行われています)。
参考資料
- 医師の白衣を見て泣く子ども ―条件性情動反応 木場 深志
http://kg.kanazawa-gu.ac.jp/kokusaibunka/?p=2263 - 心理学検定基本キーワード改訂版 2018/5/15 改訂初版
日本心理学諸学会連合 心理学検定局 - こころ検定公式テキスト3級 2017/6/1 初版第1版
教育ナビゲーション株式会社
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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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