ストレスはどのように認知されているのか

ストレスを引き起こす原因を「ストレッサー」といいますが、ストレッサーには、以下の4つの種類があります。

  • 物理的ストレッサー:暑さ、寒さ、騒音、紫外線、放射線など
  • 科学的ストレッサー:排気ガス、悪臭、薬物、毒物など     
  • 生理的ストレッサー:飢餓、運動、外傷、手術、感染、過労、疾病、障害など
  • 心理的ストレッサー:恐怖、怒り、不安、不満、葛藤、緊張など

どれも考えただけで嫌だなと思うものばかりですよね。

人の脳は、ストレッサーにさらされると、それが自分にとって危険なのか、有益なのかを無意識的に瞬時に評価する働きが備わっています。

これを一次的評価といいます。

ストレッサーが危険だと評価すると、不安、怒り、恐怖などネガティブな情動が引き起こされます。

次にそのネガティブな情動を軽減できるようなコントロールができるか、できないか評価します。

これを二次的評価といいます。

この二次的評価に大きく関わっているのが、前回書いた「ストレスと上手に付き合う方法」になります。

心理的ストレスは、情動変化を起こし、これが身体的ストレスの引き金になることから、アメリカの心理学者であるリチャード・S・ラザルスは、ストレスコーピングを高めることがストレスの軽減には重要であるとしました。

それでは、一体、これらの評価を脳のどの場所で行っているのかというと、まず外界からの刺激を視覚、聴覚、嗅覚などを通じて、情報という形で脳内にインプットされた後、「大脳皮質」で認知され、記憶に関わる「海馬」や情動反応に関わる「偏桃体」で、記憶あるいは情動記憶と照合されることにより、ストレッサーとしての評価が行われます。

ストレッサーと評価された場合は、大脳辺縁系で不安、怒り、恐怖などの情動が引き起こされます。

さらに、このような脳内の反応は、視床下部へと入力され、そこから自律神経系や内分泌系にも伝達され、ストレス反応が引き起こされるようになります。

これらの一連の流れが瞬時で行われているなんて、驚きですね。


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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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