以前、スポーツ観戦が好きと書かせて頂いたのですが、テレビでスポーツ観戦をしていると、「君ならできる」と選手を鼓舞するシーンなどを目にしたりします。
例えば、野球で、コーチから何かアドバイスを受けて、最後に期待を込めてコーチから肩をトントンと叩かれた後のプレーは、落ち着きを取り戻して、良いプレーができている気がします。
ビジネスでも、上司に「君ならやれる」と期待されて任された仕事は、なぜか自分もその気になって頑張れることがあります。
これを心理学では「ピグマリオン効果」といいます。
「ピグマリオン効果」とは、相手に「こうなってほしい」と強く期待すると、相手がその期待に応じた行動をとるようになることです。
この効果は、ハーバード大学の教育心理学者ローゼンタールによって提唱され、別名「教育期待効果」、または「ローゼンタール効果」ともよばれています。
ローゼンタールは、以下のようなピグマリオン効果の実験を行っています。
ある小学校で教師が期待をかけた生徒と、そうでない生徒の成績の伸びを比較してみたところ、期待をかけた生徒の方が高い伸び率を示しました。
つまり、教師が生徒に「よい成績をとってほしい」と強い期待をかけることで、生徒も教師の期待に応えようと積極的に勉強した、というわけです。
私も期待をかけられると、その期待に何とか応えたいと思って頑張ろうとしますが、逆に期待されていないと思うと、なかなかやる気が出てこなかったりします。
ちなみに、他者から期待されないことによって成績が低下する現象を「ゴーレム効果」といいます。
過剰な期待は、逆にプレッシャーになって、プレッシャーに押しつぶされてうまくいかないこともありますが、やはり期待されていると思うとうれしいですよね。やる気が出ますよね。
相手のやる気を出させるには、圧がかからない程度に期待をかけることが大切ですね。
参考文献
おもしろ心理学会「面白いほどわかる!他人の心理大事典」(青春出版社/2012年)
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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