正しい入浴法でヒートショックを防ごう

先日、俳優の中山美穂さんの訃報のニュースを見て、あまりにも突然のことだったので驚かれた方も多いのではないでしょうか?

浴室で亡くなられていたとのことで、筆者はすぐさま「ヒートショック」が頭をよぎりました。

加えて、ヒートショックは冬場に増えるとのことですので、自分自身だけではなく、親のことも心配で、ヒートショックを防ぐためにも正しい入浴方法について改めて確認したいと思いました。

今回は注意喚起のためにもヒートショックについて書きたいと思います。

ヒートショックはなぜ起こるのか?

ヒートショックの原因となるのは、「温度差」です。冬は特に暖房器具などを利用して部屋を暖かくしている方がほとんどだと思います。

お風呂に入る際は、暖房が効いた暖かい部屋から、脱衣所や浴室へ移動すると思いますが、脱衣所や浴室が寒いということはありませんか?そして、寒いので身体を温めようと、すぐに浴槽に浸かろうとしますよね。これが危険なのです。

暖かい部屋から寒い浴室へ移動すると、寒さに適応するため自律神経の働きで、体内では血管がキュッと収縮して、血圧が上昇します。その状態ですぐに熱いお湯の中に入ると、熱さに適応するため、今度は血管がパーッと拡張して血圧を下げようとします。

この短時間で血圧の上昇と下降が起きてしまうことで、心臓や血管に負担がかかり、めまいや立ち眩み、ひどくなると失神や心筋梗塞、脳梗塞を起こして、そのまま溺れてしまう恐れもあります。

特に高血圧や不整脈、生活習慣病に罹患している方は注意が必要です。

ヒートショックを防止するための入浴法

  • 脱衣所・浴室を暖めて、部屋の温度差をなくす
    温度差が10℃以上あると起こりやすいといわれているので、脱衣所に暖房器具を置いたり、今は浴室にも暖房がついていたりするので利用して、温度差を少なくしましょう。シャワーで給湯したり、フタを開けたまま湯を張っても、浴室が暖まるので良いそうです。
  • お湯の温度は38度~41度以下で、入浴時間は10分程度
    お湯の温度が高いと、体温の上昇が早まり、血圧も一気に下がるので、意識障害を引き起こしやすくなります。
    最近はスマートフォンなどを浴室に持ち込んで長湯になる方も多いと思います。
    長湯になると熱中症の症状が出たり、のぼせ、立ち眩みなどのヒートショックの症状で転倒してしまう恐れがありますので、10分を目安に入りましょう。
  • 浴槽に入る前にかけ湯をかけて、浴槽から出る時はゆっくりと立ち上がる
    いきなり浴槽に入るのではなく、入る前に末端から身体を徐々に暖めて、急激な温度変化を避けましょう。
    また、浴槽から出る時いきなり立ち上がると、血圧が一気に下がるのでゆっくり立ち上がるようにしましょう。
  • 飲酒や食事直後の入浴は避ける
    飲酒後や食後は血圧が下がるので、直後の入浴はヒートショックのリスクを高めることになります。
    食事直後の入浴は避け、お酒を飲むなら入浴後に飲みましょう。

最後に

自分自身もそうですが、親にも「お風呂に入る時は気をつけてね」と念押ししました。この記事を読まれたら、周りの方々にも周知していただきたいなと思います。

参考文献

社会福祉法人 恩賜財団 済生会2017.01.11「冬場に多発! 温度差で起こるヒートショック」

STOP!ヒートショック「ヒートショックを学ぼう!」


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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