人の発達については、心理学者が研究を重ね、たくさんの理論が発表されています。
主な発達理論として、ピアジェの認知発達理論やフロイトの精神分析理論、エリクソンの心理社会的発達理論などが有名です。
発達理論の中でも、今回はピアジェの発達理論について書きたいと思います。
ピアジェの発達理論
スイスの心理学者であるピアジェは、近年の児童・青年の認知発達の研究に対し最も大きな影響を与えた学者です。
ピアジェは、発達の段階によって学習できるものとできないものがあると考え、知能の発達を次のような4つの時期に分類しています。
- 「感覚運動期」(0歳~2歳)
乳児は対象の認知を感覚と運動を通じて行います。
次第に行為の及ぼす働きに気づくようになり、意図的に対象に働きかけるようになります。
この時期にはまた、もろもろのシェマ(認知の枠組み)を次第に協応することができるようになります。
例えば、ものを掴んでみる→持つことが出来る→離すと→落ちるといった風に、自分以外のものに触れたり、みたりして経験を重ねていく中でシェマを広げていきます。
また、対象が見えなければそれが消失したように振る舞いますが、やがて消失したわけではなく違う場所にあるという対象の永続性を理解していきます。 - 「前操作期」(2歳~7歳)
何物かを別の何物かによって表現する象徴作用が現れます。
例えば「ごっこ遊び」など。思考は自己中心的で、ものの形・見た目が変わっても、そのものの性質や量は変化しないという保存の概念も成立していません。 - 「具体的操作期」(7歳~12歳)
この時期に至って初めて、保存の概念が成立し、可逆的操作も行えるようになります。
自己中心性から脱し、科学的推論と論理的思考も構造化していきます。 - 「形式的操作期」(12歳~)
一段と高い形式的・抽象的思考が行えるようになります。
そして、「もし~ならば、~であろう」といった仮説演繹的思考も可能となります。
発達の速さや達成度合いには個人差がありますが、どのような環境であるかに関わらず、子どもはこれら4つの段階を普遍的な順序で経験していくと考えられています。
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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