職場内での不適応について

職場における適応障害として、職場不適応症というものがあります。

今回は、職場不適応症の症状をいくつかご紹介したいと思います。

青い鳥症候群

優秀な学歴をもつ学生が希望する一流企業に就職したのにも関わらず、比較的早い時期に「もっと自分が能力を出せる職場、自分の力を評価してくれる職場があるのではないかと考え、転職をする思考様式や行動パターンを指しています。

これは童話の「青い鳥」の主人公が幸せの青い鳥を求めてさまようことにちなんでつけられたものです。
背景には、青年期を受験勉強のみに費やし、同級生などとの情緒的交流を体験していないために自我同一性形成ができておらず、日常の社会生活への適応力を獲得できていない状況があります。

燃え尽き症候群

仕事以外でも聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

これは、一定の目的や生き方、関心に対して、献身的に努力したが、期待された報酬が得られなかった結果生じる疲労感、あるいは欲求不満のことをいいます。

これまでに熱心に仕事をしてきた人が、自分を卑下したり、燃え尽きるように仕事を嫌悪したり、興味・関心を失う状態です。

ある程度の能力が高く、まじめで努力家の人が陥りやすいといわれています。

サンドイッチ症候群

これは、中間管理職が上司と部下の板挟みとなって葛藤生じる状態です。

それによっておこる心身のストレス症状を、サンドイッチの中身に例えて「サンドイッチ症候群」とよび、「板ばさみ症候群」ともよぶこともあります。

まじめで責任感が強く、融通が利かない、自分の感情を抑える傾向のある人ほど、この板ばさみの状況で抑うつ症状を生じやすいといわれています。

職場不適応に陥った場合、「もっと努力しなくてはいけない」「自分がこんな困った状況になるはずがない」「人に相談できない」などと考えがちになるので、できるだけ早く対処する必要があります。

病状により、服薬、休職、カウンセリングを行い、上司や人事部の理解を得て、職場内の環境を整えることも必要となります。


著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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