今回は、カウンセラーがカウンセリングにおいて注意すべきことについてお話しします。
クライエントがカウンセリングを受ける時、受けようと思った時というのは、自分の心にストレスや負担がかかっていて、なおかつその負担を自分ひとりで抱えることが難しくなった時、苦しい時、誰かに話を聞いてもらいたい時でしょう。
カウンセラーはそんなクライエントの心の負担を軽減するために、様々な技法や検査を用い、心の負担軽減に向けてお手伝いをしていきます。
心の問題というのは非常にデリケートなものであり、カウンセラーに求められる資質、態度を含め、遵守すべき事項があります。
その中でも重要視されることのひとつとして、カウンセラーとクライエント間の関係があります。つまり、私的関係(友人、恋人になることなど)の禁止です。
クライエントがカウンセラーに対して好意や恋愛感情を抱くことがありますが、これを陽性転移といいます。
転移とは、カウンセリングの過程でクライエントが幼少期に親などの重要な他者によって満たされなかった感情をカウンセラーに向けることです。
また、陰性転移というものもあり、これは敵意を向けたり攻撃対象としたりすることです。
カウンセラーはこの転移について解釈を行い、クライエントに気づきを促していきます。
反対にカウンセラーがクライエントに好意を抱いたり憎悪を抱いたりすることを逆転移といいます。
カウンセラーが逆転移を起こした場合、カウンセリングに影響を及ぼしてしまい、公私混同につながる恐れがあります。
しかし、現在、精神分析の立場ではこの転移・逆転移をカウンセリング過程に活かす流れもあります。
ただし、カウンセラーには中立的態度を守ることが前提であり、あくまでもカウンセリング契約を結んでいる関係となりますので、私的関係をもつことはNGです。
著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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