十歳の祝いの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
3月7日は「十歳の祝いの日」
日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。3月7日は「十歳の祝いの日」に制定されています。これは「ととせのいわいのひ」と読み、10歳の節目を迎える子どもたちの健全な成長を願い、未来像を描いてもらう日として、京都市・下京区に事務局を置く「十歳の祝い普及促進協議会」が制定したものです。日付の由来は3月は年度替わりの月であること、対象の子どもの多くが10歳を迎え終わること、3と7を足すと10になることがきっかけとなっています。七五三のような子どもの成長を祝う行事である10歳の「二分の一成人式」や「立志式」に倣って、通過儀礼の1つとして和装・洋装の晴れ着を着る機会の提供や親子の絆、地域で子どもを見守る風土の醸成などが目的となっています。
では、10歳という年齢と心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
できたを増やす10歳
10歳は発達心理学において児童期から思春期への移行段階とされており、心理的・社会的な能力が大きく伸びる一方で、不安定さも増す時期であるとされています。また、発達心理学者のエリク・エリクソンは、10歳の発達課題は勤勉性であり、もしこの段階で問題が発生すると劣等感を抱えることになるとしています。また、同じく発達心理学者のジャン・ピアジェは認知発達として10歳は具体的操作期の後期に該当し、因果関係を論理的に考えたり、ルールや約束の理由を理解できたり、数量・時間・順序の概念の獲得ができたりするとしています。
また、10歳くらいになると感情のコントロールが上手くできるようになります。自分の感情を言葉で表現できるようになり、怒りや悲しみを我慢できるようになります。一方で周囲の評価に非常に敏感になり、失敗や否定に対してネガティブな感情を抱えることも増えてきます。しかし、前述のように「我慢」もできるようになっているため、表面上は普通に見えて、実は傷つき、ネガティブな感情が発生しているというケースも考えられます。さらに、10歳くらいから自我や自己意識も発達しはじめ「自分とは何か?」ということを意識し始めます。そのため、他者からどう見られているかを強く意識するようになり、自分の得意・不得意を比較し、自尊感情が影響を受けやすくなります。
そして、社会性や対人関係の発達も進んでいきます。10歳はいわゆる仲間関係が家族などの周囲の大人たちよりも重要になります。この時期はグループ意識・仲間意識が強まり、仲間外れや比較に敏感になり、心理的ストレスも高まりやすくなります。
道徳性・価値観の発達も10歳のころの重要なポイントになります。この時期に物事の善悪を「罰があるから」ではなく「公平かどうか」や「相手の気持ち」で判断することができるようになります。一方で、融通が利かない面も増えていき、ルール違反や不公平に対して、大人以上に強い怒りを示すこともあります。
比べない。努力を認める
10歳くらいには精神発達に男女差も認められるようになります。男子は比較的、感情を言語化するのが苦手であり、不安や怒りをふざけたり、乱暴に振る舞ったり、失敗を笑ってごまかすなど行動で示すことが多い傾向にあります。一方で女子は比較的、感情を言葉で表現するのが得意であり、人間関係の微妙な変化に敏感で共感性が高く、友人関係で悩みやすいという傾向が認められます。
男女の自己評価の違いについては、男子は比較的、外的評価に鈍感に見えるものの、他者から否定されることには弱いという傾向が認められます。女子は比較的、他者評価を内面化しやすく、自尊感情が低下しやすい傾向が認められます。
そこで、10歳の子どもへの大人の適切な対応として、男女差への配慮が重要となります。前述のように言語化よりも行動化してしまう男子の問題行動については、単に叱るだけでなく感情面への理解を示し、男子自身の感情理解を促す必要があります。また、女子については対人関係の問題を抱え込まないように注意する必要があります。保護者や教師などの具体的な関わり方としては、結果より努力や過程を評価し、否定より共感を優先し、兄弟や友人との比較を避け、子どもの話を遮らず、最後まで聞くようにすることなどがポイントとなります。
最後に
このように10歳という年齢だけを切り取っても、心理学では様々な角度から研究が進められているのです。

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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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