ニートの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
2月10日は「ニートの日」
日本では365日の全てに何らかの日とされています。2月10日は「ニートの日」とされています。これは「ニ(2)ート(10)」の語呂合わせが由来となっています。まず、ニートの定義としては、日本ではあまりニートという言葉は公的に使われることはなく若年無業者という名称が使われることが一般的となっています。これは厚生労働省が命名・定義したものであり、以下の条件をすべて満たす人を指します。
・年齢:15歳〜34歳
・生活状況:非労働力人口(仕事をしておらず、求職活動もしてない)
さらに、家事も通学もしていない状態
最新の統計データである総務省の労働力調査によると、日本では次のような現状があります。まず、若年無業者数は59万人であり、2000年代前半のピークから微減傾向があるものの、ここ数年は下げ止まりないしは、微増の傾向が認められます。また、 中高年ニートとよばれる35歳〜44歳の無業者は約37万人となっています。
支える力が未来を拓く
このように社会問題となっているニート(若年無業者・中高年無業者)ですが、様々な公的な支援対策が実施されています。たとえば、ニートの社会復帰を支援するための地域若者サポートステーションが全国に設置されています。具体的にはキャリアコンサルタントによる相談やコミュニケーション訓練、職場体験などが実施されています。そして、これまではサービスの支援対象は39歳まででしたが、現在は49歳までに対象が拡大されており、中高年層への支援も強化されています。
では、なぜ、ニートになってしまうのかについて、これについても様々な角度から検討されています。よく本人の怠慢ではないのかという意見もありますが、学術的な調査研究の結果は、必ずしもそうではないことを示しています。たとえば、就職・キャリア活動の失敗、早期離職による自信喪失、非正規雇用の継続によるキャリア断絶などがあります。また、社会構造としての景気後退期(就職氷河期など)の影響、コミュニケーション能力を過度に重視する採用文化などの要因も挙げられます。
揺れる心に寄り添う支援
さらに、ニートに関する心理学的な研究も実施されています。発達心理学の観点からは、エリク・エリクソンのライフサイクル発達論におけるアイデンティティの問題として捉えることができます。15~39歳はいわゆる青年期の段階を含んでおり、この発達段階で重要となるのはアイデンティティの確立です。しかし、このアイデンティティの確立が上手くいかないことで 「自分が何をしたいのか分からない」・「社会の中に自分の居場所が見つからない」というアイデンティティの拡散が起きてしまうことがあります。この状態は社会に出ることを困難にしてしまい、若者がニートになる可能性が高まると考えられます。また、アイデンティティの確立までに要する期間が長期化し、いわゆるモラトリアムの状態が長くなっています。モラトリアムは社会に出る前の猶予期間という位置づけですが、そのままニートになってしまうというケースもあります。
パーソナリティの問題もニートの問題との関連が指摘されています。たとえば、回避性パーソナリティ障害やその傾向を持つ人は拒絶への敏感さが強い傾向があり、他者からの評価に非常に敏感であり、批判や拒絶を過度に恐れる回避性という特徴が指摘されています。このようなパーソナリティ特性によって、建設的な対人関係の構築が困難となることで、社会進出や就業が難しくなり、ニートになってしまうというケースが考えられます。
また、最新の研究においては、ニートとひきこもりの境界線を再検討する動きがあります。
これはニートとひきこもりを文化的周縁化におけるスペクトラム(連続体)連続体として捉える視点が注目されています。
最後に
このように、ニートについては心理学において様々な観点から研究が実施されています。

著者・編集者プロフィール
この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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